金の価格が高い今のうちに、手元の金を売りたい。
でも、金を買い取る店はたくさんあり、どこに売ればいいのか分からない、という人は多いはずです。
この記事では、金を売るならどこがいいかを、4つの売り先の特徴、比べるべき4つの点、売るときの注意点の順に説明します。
筆者は古物商許可を取り、古物の売買を日常的に行っています。金の売買そのものの専門家ではないので、実際の価格と条件は各店の公表内容で確認してください。支払調書の制度については国税庁の公表資料をもとに、内容は2026年10月15日時点で確認しています。
- 金の売り先は、地金商、貴金属の買取店、ブランド品の買取店、質屋の4つ。インゴットや金貨は地金商、ジュエリーは貴金属やブランドの買取店が候補になる
- 比べるべき点は、①1gあたりの買取価格、②手数料、③ブランドやデザインの評価、④本人確認や許可の表示などの安全性の4つ。表示価格ではなく手取りで比べる
- 1回の売却代金が200万円を超える金地金などの取引では、買取業者が税務署に支払調書を提出する制度がある。訪問して金を買い取ろうとする業者には、訪問購入のルールで対応する
金の売り先は4つ
- 地金商
- 貴金属の買取店
- ブランド品の買取店・質屋
地金商
地金商は、金のインゴット(地金)や金貨を販売し、買取も行う会社です。
インゴットや金貨を売る場合は、地金商が有力な売り先です。1gあたりの買取価格を毎日公表していて、価格の基準として使われることもあります。
ジュエリーの買取を行っている地金商もありますが、純度ごとの価格や手数料の扱いを確認します。
貴金属の買取店
貴金属の買取店は、金やプラチナのジュエリー、壊れたアクセサリー、片方だけのピアス、歯科用の金など、さまざまな貴金属を買い取ります。
純度ごとの1gの買取価格を公表している店が多く、重さで計算した金額の目安が分かりやすい売り先です。
店頭のほか、宅配買取や出張買取に対応している店もあります。
ブランド品の買取店・質屋
ブランド品の買取店は、有名ブランドのジュエリーを、金の重さの価値に加えて、ブランドやデザインの価値も含めて評価してくれることがあります。
質屋は、金製品の買取や質入れ(担保にしてお金を借りる)を行っていて、店頭ですぐに現金化できます。
このほか、百貨店の買取サービスや、総合リサイクルショップでも金製品を受け付けていることがあります。百貨店では買い物に使える形で受け取る仕組みのこともあり、リサイクルショップは純度ごとの価格を公表していないこともあるので、1gの価格と受け取り方を確認してから利用します。
比べるべき4つの点
- 1gあたりの買取価格
- 手数料(査定料・精錬費など)
- ブランド・デザインの評価
1gあたりの買取価格
まず、純度ごとの1gあたりの買取価格を、店ごとに比べます。
多くの店はサイトで毎日の価格を公表しているので、同じ日の同じ純度の価格を並べると差が分かります。
手数料(査定料・精錬費など)
金の買取では、査定料、精錬費(金を溶かして純度を高める費用)、振込手数料などがかかることがあります。
インゴットでは、小さいサイズのものに手数料がかかることもあります。
1gの価格が高くても、手数料を引くと手取りが少なくなることがあるので、手数料を引いた手取りで比べます。手数料の見落としやすい点は、金買取の手数料の記事で説明しています。
ブランド・デザインの評価
有名ブランドのジュエリーは、金の重さだけで評価する店と、ブランドやデザインの価値も評価する店で、査定額が大きく違うことがあります。
ブランドジュエリーは、ブランド品の買取店でも査定を受けて比べるのがおすすめです。
4つ目の点は安全性で、次の見出しで説明します。
4つ目の点:安全性と、知っておきたい制度
- 古物商許可と本人確認
- 200万円超の取引は支払調書の対象
- 訪問して買い取ろうとする業者に注意
古物商許可と本人確認
金製品の買取を仕事として行うには、古物商許可が必要です。正規の業者は、サイトや店頭に許可番号を表示しています。
古物の買取では、古物営業法で本人確認が義務づけられています。本人確認をきちんと行う業者を選ぶのが安全です。使える書類は、買取の本人確認の記事で確認できます。
店頭で売るときは、目の前で重さを量り、純度の判定の結果を見せてくれる店を選ぶと安心です。品物を奥に持って行ったまま査定する店より、手順が見える店のほうが、金額の根拠を確かめやすくなります。
口コミを見るときは、「高かった」という感想より、計量や手数料の説明が分かりやすかったか、断ったときの対応はどうだったか、という具体的な声に注目します。
200万円超の取引は支払調書の対象
国税庁によると、金地金や金貨などを売り、1回の売却代金が200万円を超える場合、買取業者は税務署に支払調書を提出する制度があります(平成24年1月1日以降の取引が対象)。
金地金などを売って利益が出た場合は、原則として総合課税の譲渡所得として課税されます。
税金の計算や申告については、金を売ったら税金はいくらかの記事で説明しています。
訪問して買い取ろうとする業者に注意
突然自宅を訪ねてきて、「金を買い取ります」と言う業者には注意が必要です。
業者が自宅を訪問して品物を買い取る「訪問購入」は、特定商取引法で規制されていて、頼んでいないのに勧誘することは禁止されています。
訪問購入では、法定書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができ、その期間中は品物の引き渡しを断ることもできます。手順は、出張買取のクーリング・オフの記事で確認してください。
品物別の向いている売り先と、売る前の準備
- インゴット・金貨:地金商
- ジュエリー:貴金属・ブランドの買取店
- 刻印と重さを確認しておく
インゴット・金貨:地金商
インゴットや金貨は、地金商に売るのが基本です。
購入したときの証明書や、インゴットの刻印(製造元、純度、重さ、番号)を確認しておきます。
ジュエリー:貴金属・ブランドの買取店
ノーブランドの金のジュエリーは、貴金属の買取店で、重さと純度で評価してもらうのが分かりやすいです。
ブランドジュエリーは、ブランド品の買取店でも査定を受け、高いほうに売ります。
宝石がついたジュエリーは、宝石の評価ができる店を選びます。
刻印と重さを確認しておく
売る前に、金製品の刻印(K18、750など)で純度を確認し、キッチンスケールなどで重さを量っておきます。刻印が見当たらない場合は、刻印なしの金の記事を参考にしてください。
その日の1gの価格と重さで目安を計算しておくと、査定額が妥当かを判断しやすくなります。
金の売り先の比較
| 売り先 | 向いている品物 | 価格の分かりやすさ | ブランドの評価 |
|---|---|---|---|
| 地金商 | インゴット・金貨 | 高い(毎日公表) | なし |
| 貴金属の買取店 | ジュエリー・壊れた貴金属 | 高い(純度ごとに公表) | 店による |
| ブランド品の買取店 | ブランドジュエリー | 中 | あり |
| 質屋 | 金製品全般 | 中 | 店による |
ユイ金のネックレスを売りたいんですけど、どこが一番高いですか?
ケイノーブランドなら、貴金属の買取店で1gの価格と手数料を比べるのが分かりやすいよ。ブランドものなら、ブランド品の買取店でも査定を受けて比べよう。
ユイ家に「金を買い取ります」って業者が来たんですけど…。
ケイ頼んでいない訪問での勧誘は、特定商取引法で禁止されているんだ。その場で売らずに断ろう。もし売ってしまっても、書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフできるよ。
よくある質問
金を売るならどこが一番高いですか?
品物によります。
インゴットや金貨は地金商、ジュエリーは貴金属やブランドの買取店で、手数料を引いた手取りを比べてください。
金を売る時の注意点は何ですか?
手数料を引いた手取りで比べること、目の前で計量してくれる店を選ぶこと、本人確認書類を用意することです。
店によっては、査定料、精錬費、振込手数料などがかかることがあります。
200万円を超えて売ると何がありますか?
金地金などの取引で1回の売却代金が200万円を超える場合、買取業者が税務署に支払調書を提出する制度があります。
金を売ったら税金はかかりますか?
金地金などを売って利益が出た場合は、原則として総合課税の譲渡所得です。
詳しくは税金の記事を確認してください。
突然訪問してきた業者に金を売ってしまいました。
訪問購入なら、法定書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。
困ったときは、消費者ホットライン188に相談してください。
ブランドの金のジュエリーはどこで売ればいいですか?
ブランド品の買取店と、貴金属の買取店の両方で査定を受け、高いほうに売るのがおすすめです。
まとめ:次の一手
金の売り先は、地金商、貴金属の買取店、ブランド品の買取店、質屋の4つで、インゴットや金貨は地金商、ジュエリーは貴金属やブランドの買取店が候補になります。
比べるべき点は、1gの買取価格、手数料、ブランドやデザインの評価、安全性の4つで、表示価格ではなく手取りで比べます。
次の一手は、手元の金製品の刻印と重さを確認し、その日の1gの価格で目安を計算することです。
相場の見方は、金の買取相場の見方の記事で詳しく説明しています。
