母から譲り受けた金の指輪に、どこを探しても刻印がない。
金のジュエリーには、純度を示す「K18」や「750」などの刻印が入っていることが多いですが、中には刻印がないものもあります。
刻印がないと、本物の金なのか、売れるのか、不安になるはずです。
この記事では、刻印なしの金が買取できるかを、刻印がない理由、買取店が純度を確かめる方法、売る前の注意点、向いている売り先の順に説明します。
筆者は古物商許可を取り、古物の売買を日常的に行っています。金の分析の専門家ではないので、純度の判断は貴金属の買取店の査定で確認してください。内容は2026年10月15日時点で確認しています。
- 刻印のない金製品も、多くの貴金属の買取店で買取できる。買取店は、比重検査や蛍光X線分析などの方法で純度を確かめ、その純度の1gの価格で評価する
- 刻印がない理由は、古い時代の製品、海外の製品、手作りの品、すり減って消えた、刻印を入れにくい形、などさまざま。刻印がないことだけで偽物とは決まらない
- 自分で傷をつけたり、薬品で試したりしない。純度を確かめる機器を持つ貴金属の買取店に出し、確かめた方法と純度の結果を説明してもらう
刻印なしの金も買取できる
- 買取店は機器で純度を確かめる
- 確かめた純度の価格で評価する
- 刻印がないだけで偽物とは決まらない
買取店は機器で純度を確かめる
多くの貴金属の買取店は、刻印がない金製品でも、純度を確かめる方法を持っています。
比重検査や蛍光X線分析などの方法で、金がどのくらい含まれているかを調べます。
刻印は純度の目安にすぎないので、刻印がある製品でも、買取店は必要に応じて確かめます。
確かめた純度の価格で評価する
純度が分かれば、その純度の1gあたりの買取価格に、重さをかけて評価します。
たとえば、刻印がなくても18金と確かめられれば、18金の1gの価格で買い取ってもらえます。純度ごとの価格の見方と計算方法は、金の買取相場の見方の記事で説明しています。
純度を確かめる分析に費用がかかるかは、店によって違います。分析や査定を無料で行う店もあれば、手数料として差し引く店もあるので、申し込む前に確認しておくと安心です。手数料の比べ方は、金買取の手数料の記事にまとめています。
刻印がないだけで偽物とは決まらない
刻印がないことは、偽物や金メッキの証拠ではありません。
本物の金でも、さまざまな理由で刻印がないことがあります。
逆に、刻印があっても、偽の刻印が入っていることもあるため、刻印だけで判断しないのが基本です。
金に刻印がない理由
- 古い時代の製品・海外の製品
- 手作りの品・刻印を入れにくい形
- 長く使ってすり減って消えた
古い時代の製品・海外の製品
古い時代に作られた金製品には、刻印を入れる習慣がなかったり、刻印の決まりが今と違ったりするものがあります。
海外で作られた製品は、その国の表記で刻印されていたり、刻印がなかったりすることがあります。「14K」「585」のように数字の並びが日本の表記と違うものや、見慣れない記号だけが入っているものもあるので、刻印らしきものがあれば、読めなくても査定のときに見てもらいます。
手作りの品・刻印を入れにくい形
職人が手作りした品や、オーダーメイドの品には、刻印が入っていないことがあります。
細いチェーンや、小さなピアス、複雑な形のパーツなど、刻印を入れるスペースがない製品もあります。
歯の治療で使われた金(歯科用の金属)も、刻印はありませんが、金やパラジウムなどの貴金属を含むことがあり、買取の対象にしている店があります。治療で外したものが手元にあれば、捨てずに貴金属の買取店に相談してみましょう。
チェーンは、留め具(クラスプ)の部分や、留め具の近くの小さな板(プレート)に刻印が入っていることがあるので、細かく探してみます。
長く使ってすり減って消えた
指輪の内側などに入っていた刻印が、長年使ううちにすり減って、読めなくなることがあります。
サイズ直しの際に、刻印の部分が削られてしまうこともあります。
なお、白っぽい色の指輪には、金ではなくプラチナ(「Pt900」「Pt850」などの刻印)や、ホワイトゴールド(金にほかの金属を混ぜて白くしたもの)の場合もあります。色だけで判断せず、買取店で素材を確かめてもらいましょう。
純度を確かめる主な方法
- 比重検査(重さと体積から調べる)
- 蛍光X線分析(機器で成分を調べる)
- 試金石など昔からある方法
比重検査(重さと体積から調べる)
比重検査は、品物の重さと、水に沈めたときの体積から、比重(同じ体積の水と比べた重さ)を調べる方法です。
金は比重が大きい金属なので、比重から、金がどのくらい含まれているかの目安が分かります。
品物を傷つけずに調べられますが、宝石や中が空洞の部分があると、正確に測りにくいことがあります。
家庭でも水と量りを使って比重を測る方法が紹介されていることがありますが、小さなジュエリーでは誤差が大きく、純度までは判断できません。目安にとどめ、売るときは店の測定結果で判断します。
蛍光X線分析(機器で成分を調べる)
蛍光X線分析は、品物にX線を当てて、含まれている金属の種類と割合を調べる方法です。
品物を傷つけずに、短い時間で調べられるため、多くの買取店で使われています。
主に表面の成分を調べる方法なので、表面だけ金をつけたメッキ製品の判断には、ほかの方法と組み合わせることもあります。
試金石など昔からある方法
試金石(黒い石に品物をこすりつけ、その跡に薬品をつけて反応を見る方法)など、昔から使われている方法もあります。
品物の目立たない部分を少しこする必要があるため、店によっては、お客さんの了承を得てから行います。
売る前の注意点と、向いている売り先
- 自分で傷をつけたり薬品で試さない
- 機器を持つ貴金属の買取店に出す
- 確かめた方法と結果を説明してもらう
自分で傷をつけたり薬品で試さない
ネットには、金かどうかを自分で確かめる方法として、磁石を近づける、噛む、薬品をつける、などの情報があります。
しかし、こうした方法では正確な純度は分からず、品物を傷つけたり、変色させたりするおそれがあります。
磁石につかないことは金の性質の一つですが、つかないから金だとは言えません。自分で判断せず、買取店で確かめてもらいます。
機器を持つ貴金属の買取店に出す
刻印なしの金は、純度を確かめる機器を持つ貴金属の買取店に出すのがおすすめです。
店のサイトに、刻印なしの製品の買取に対応していることや、分析の方法が書かれているか確認します。
確かめた方法と結果を説明してもらう
査定のときは、どの方法で純度を確かめたか、結果がどの純度だったかを説明してもらいます。
説明に納得できれば売り、不安があれば、別の店でも査定を受けて比べます。
店頭なら、目の前で計量と分析をしてくれる店を選ぶと、手順が見えて安心です。金の売り先ごとの特徴は、金を売るならどこがいいかの記事で比べています。
刻印あり・なしの金の比較
| 項目 | 刻印あり | 刻印なし |
|---|---|---|
| 純度の目安 | 刻印で分かる | 店が機器で確かめる |
| 買取 | できる | 多くの店でできる |
| 評価の基準 | 純度ごとの1gの価格×重さ | 確かめた純度の1gの価格×重さ |
| 向いている売り先 | 貴金属の買取店など | 分析の機器を持つ貴金属の買取店 |
ユイ刻印のない金の指輪、偽物ですか?
ケイ刻印がないだけでは偽物とは決まらないよ。古い製品や手作りの品、すり減って消えたものもあるからね。買取店は機器で純度を確かめてくれるんだ。
ユイ自分で磁石を当てて確かめてみようかな。
ケイ磁石につかないから金とは言えないし、薬品などで試すと品物を傷めることもあるんだ。機器を持つ貴金属の買取店で確かめてもらうのが確実だよ。
よくある質問
刻印のない金は買取してもらえますか?
多くの貴金属の買取店で買取できます。
店が機器で純度を確かめ、その純度の価格で評価します。
刻印がないのはなぜですか?
古い時代の製品、海外の製品、手作りの品、刻印を入れにくい形、すり減って消えた、などの理由があります。
純度はどうやって確かめるのですか?
比重検査、蛍光X線分析、試金石などの方法があります。
自分で金かどうか確かめる方法はありますか?
正確な純度は分からず、品物を傷めるおそれもあるので、買取店で確かめてもらうのがおすすめです。
刻印がない金は安くなりますか?
純度が確かめられれば、その純度の1gの価格で評価されます。
分析の費用を手数料として差し引く店もあるので、申し込む前に確認してください。
チェーンの刻印はどこにありますか?
留め具(クラスプ)の部分や、留め具の近くの小さな板に入っていることがあります。
まとめ:次の一手
刻印のない金製品も、多くの貴金属の買取店で買取できます。買取店は比重検査や蛍光X線分析などで純度を確かめ、その純度の1gの価格で評価します。刻印がないことだけで偽物とは決まりません。
自分で傷をつけたり薬品で試したりせず、分析の機器を持つ貴金属の買取店に出し、確かめた方法と結果を説明してもらうのが安心です。
次の一手は、留め具なども含めて刻印をもう一度探し、重さを量っておくことです。
貴金属の売り先は、貴金属を売るならどこの記事で比較しています。
