金を売るなら、1gあたりの買取価格が一番高い店に売ればいい。
そう考えがちですが、実際に手元に残る金額は、手数料によって変わります。表示価格が高い店でも、手数料を引くと、ほかの店より少なくなることがあります。
この記事では、金買取の手数料の種類、1gの価格との関係、手取りの計算方法、見落としやすい差額と確認のしかたを説明します。
筆者は古物商許可を取り、古物の売買を日常的に行っています。金の売買そのものの専門家ではないので、実際の手数料は各店の公表内容で確認してください。内容は2026年10月15日時点で確認しています。
- 金買取の手数料には、査定料、精錬費(溶解費)、小さなインゴットのバーチャージ、振込手数料、宅配の送料・保険料などがある。名前も金額も店ごとに違う
- 1gの買取価格が高くても、手数料を引くと手取りが少なくなることがある。逆に「手数料無料」でも、1gの価格が低めのこともある
- 比べるときは「1gの価格×重さ−すべての手数料」で手取りを計算する。手数料の条件は、店のサイトの料金表やよくある質問で確認し、分からなければ申し込み前に問い合わせる
金買取の手数料の種類
- 査定料・精錬費(溶解費)
- 小さなインゴットのバーチャージ
- 振込手数料・送料・保険料
査定料・精錬費(溶解費)
査定料は、品物の純度や重さを調べる費用です。多くの店では無料ですが、有料の店もあります。
精錬費(溶解費)は、買い取った金を溶かして、純度を高めるための費用です。ジュエリーなど、純度の低い金や、ほかの金属が混ざった金で、かかることがあります。
1gあたりいくら、品物1点あたりいくら、買取額の何%、など、計算のしかたは店によって違います。
小さなインゴットのバーチャージ
バーチャージは、小さいサイズのインゴット(地金)を売るときにかかる手数料です。
大きなインゴットに比べて、小さなインゴットは扱う手間が相対的に大きいため、手数料がかかることがあります。
どのサイズから手数料がかかるか、いくらかかるかは、地金商や買取店によって違います。
なお、金を買うときにも、小さなインゴットには手数料がかかることがあります。買うときの手数料と売るときの手数料は別にかかるので、将来売ることを考えて買う人は、両方の条件を見ておくと、手元に残る金額を見積もりやすくなります。
振込手数料・送料・保険料
買取代金を振り込みで受け取る場合、振込手数料が差し引かれることがあります。
宅配買取では、送料や、輸送中の破損や紛失に備えた保険料がかかることがあります。「送料無料」でも、金額や点数の条件がついていることがあります。
出張買取では、出張料がかかるかどうかも確認します。出張買取の店を選ぶときの注意点は、金を売るならどこがいいかの記事で説明しています。
1gの価格と手数料の関係
- 1gの価格が高くても手数料で逆転する
- 「手数料無料」でも1gの価格が低めのことも
- 両方を見て手取りで判断する
1gの価格が高くても手数料で逆転する
A店の1gの価格が、B店より少し高くても、A店に精錬費がかかり、B店にかからない場合、手取りが逆転することがあります。
特に、重さが少ない品物では、1点あたりの手数料の影響が大きくなります。
たとえば、片方だけのピアスや細いチェーンのように、数グラムしかない品物を何点も売る場合、1点ごとに手数料がかかる店だと、手数料の合計が大きくなります。こうした品物は、1点ごとではなく、まとめて計算してくれる店のほうが有利なことがあります。
「手数料無料」でも1gの価格が低めのことも
「手数料無料」とうたっている店でも、1gの価格が、ほかの店より低めに設定されていることがあります。
手数料が1gの価格に含まれている、と考えると分かりやすいです。
手数料の考え方は店ごとの方針なので、どちらがよい悪いではありません。大切なのは、表示の見せ方に左右されず、最終的に自分の手元にいくら残るかで判断することです。
両方を見て手取りで判断する
1gの価格だけ、手数料だけを見るのではなく、両方を合わせた手取りで比べることが大切です。
同じ日の、同じ純度の価格で比べると、正確に比べられます。
手取りの計算方法
- 純度ごとの1gの価格×重さ
- すべての手数料を引く
- 同じ日・同じ条件で店ごとに並べる
純度ごとの1gの価格×重さ
まず、売りたい金の純度(K24、K18など)の、その日の1gの買取価格を、店ごとに調べます。
次に、金の重さをかけます。宝石や金以外の部品がついている場合は、その分を除いて考えます。
すべての手数料を引く
1gの価格×重さから、その店でかかるすべての手数料(査定料、精錬費、バーチャージ、振込手数料、送料・保険料、出張料など)を引きます。
これが、その店で売った場合の手取りの目安です。
たとえば、K18の1gの価格が仮にA店1万5,000円、B店1万4,800円の日に、10gのネックレスを売るとします。A店は精錬費として1点3,000円、B店は手数料なしなら、A店の手取りは14万7,000円、B店は14万8,000円で、表示価格が低いB店のほうが手取りは多くなります。実際の金額は、売る日の公表価格と各店の条件で計算してください。
同じ日・同じ条件で店ごとに並べる
金の価格は毎日変わるので、同じ日の価格で、店ごとの手取りを並べて比べます。
メモや表に書き出すと、どの店が一番手取りが多いかが一目で分かります。
店頭で査定を受ける場合は、提示された金額の内訳(1gの価格、判定された純度、重さ、差し引かれた手数料)を紙に書いてもらうか、メモを取っておくと、あとで比べやすくなります。
見落としやすい差額と、確認のしかた
- 純度の判定で価格が変わる
- 宝石や部品を除いた重さの扱い
- 料金表で確認し、不明点は問い合わせる
純度の判定で価格が変わる
刻印のない金や、刻印と実際の純度が違う金は、店の判定によって、どの純度の価格で評価されるかが変わります。刻印がない金の扱いは、刻印なしの金の記事で説明しています。
査定のときに、どの純度と判定されたかを確認します。
宝石や部品を除いた重さの扱い
宝石がついたジュエリーや、金以外の部品(ばね、留め具など)がついている品物は、その分を除いた金の重さで評価されます。
除き方は店によって違うことがあるので、どのように重さを計算したかを確認します。
宝石に価値がある場合は、宝石を別に評価してもらえるかも確認します。
料金表で確認し、不明点は問い合わせる
手数料の条件は、店のサイトの料金表、利用規約、よくある質問などで確認します。
分かりにくい場合や、書かれていない場合は、申し込む前に電話やメールで問い合わせます。
査定のあとで、思わぬ手数料が差し引かれることがないよう、事前に確認しておくことが大切です。
売るときに支払った手数料は、利益が出て税金の計算が必要になった場合、「譲渡費用」として差し引けます。明細や領収書は捨てずに保管しておきましょう。金の税金の考え方は、金を売ったら税金はいくらかの記事で説明しています。
金買取の手数料の比較
| 手数料 | かかる場面 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 査定料 | 査定のとき | 無料か有料か |
| 精錬費(溶解費) | 純度の低い金・ジュエリー | 計算のしかた(1gあたり・1点あたり・%) |
| バーチャージ | 小さなインゴット | どのサイズからかかるか |
| 振込手数料 | 振り込みで受け取るとき | 誰が負担するか |
| 送料・保険料 | 宅配買取 | 無料の条件 |
| 出張料 | 出張買取 | 無料か有料か |
ユイ1gの価格が一番高い店に売れば、一番得ですよね?
ケイ手数料で逆転することがあるんだ。1gの価格×重さから、すべての手数料を引いた手取りで比べよう。
ユイ「手数料無料」の店なら安心ですか?
ケイ1gの価格が低めのこともあるから、両方を見て判断しよう。同じ日の同じ純度の価格で比べると正確だよ。
よくある質問
金買取の手数料にはどんなものがありますか?
査定料、精錬費(溶解費)、バーチャージ、振込手数料、送料・保険料、出張料などがあります。
精錬費とは何ですか?
買い取った金を溶かして、純度を高めるための費用です。
バーチャージとは何ですか?
小さいサイズのインゴットを売るときにかかる手数料です。
「手数料無料」の店が一番得ですか?
1gの価格が低めのこともあるので、手取りで比べてください。
手取りはどう計算しますか?
純度ごとの1gの価格×重さから、すべての手数料を引いて計算します。
売るときの手数料は税金の計算で引けますか?
利益が出て税金の計算が必要な場合、売るために直接かかった手数料は譲渡費用として差し引けます。
手数料の条件が分からないときは、申し込む前に店に問い合わせてください。
まとめ:次の一手
金買取の手数料には、査定料、精錬費、バーチャージ、振込手数料、送料・保険料などがあり、名前も金額も店ごとに違います。1gの価格が高くても、手数料で手取りが逆転することがあります。
比べるときは、同じ日の同じ純度で「1gの価格×重さ−すべての手数料」を計算し、店ごとに並べます。
次の一手は、候補の店2〜3社の料金表を見て、手数料の条件をメモすることです。プラチナや銀など、金以外の貴金属の売り方は、貴金属を売るならどこの記事にまとめています。
相場の見方は、金の買取相場の見方の記事で確認してください。
