買取店で品物を売ろうとしたら、身分証を見せてくださいと言われた。
なぜ品物を売るだけなのに身分証が必要なのか、個人情報は大丈夫なのか、と気になる人は多いはずです。
この記事では、買取の本人確認について、古物営業法で義務づけられている理由、使える身分証、店頭・宅配・出張での確認のしかた、1万円未満でも本人確認が必要な品物、個人情報の扱いを説明します。
筆者は古物商許可を取り、古着を中心に古物の売買を日常的に行っています。古物商として、実際に本人確認を行う立場から書きます。古物営業法の本人確認の扱いは、警視庁の「非対面取引における確認の方法」「古物営業法施行規則の一部改正について(令和7年10月1日施行)」などの公表資料をもとに、2026年10月15日時点で確認しています。
- 買取の本人確認は、古物営業法で古物商に義務づけられている。盗品が売買されるのを防ぐための仕組みで、正規の業者は必ず本人確認を行う
- 使える身分証は、運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、資格確認書などが一般的。店頭では提示、宅配では顔の写真と身分証の画像の送信や、書類と転送しない書留の組み合わせなど、決められた方法で確認する
- 取引の金額が1万円未満なら本人確認が原則免除されるが、バイク、ゲームソフト、CD・DVD、書籍などは金額にかかわらず必要。本人確認をしない業者は避けたほうが安全
本人確認が必要な理由
- 古物営業法で義務づけられている
- 盗品の売買を防ぐ
- 取引の記録を残す
古物営業法で義務づけられている
中古品(古物)の買取を仕事として行う業者は、古物営業法にもとづく古物商許可を受けています。
古物営業法では、古物商が品物を買い取るときに、売る人の住所、氏名、職業、年齢を確認することが義務づけられています。
そのため、正規の買取業者は、必ず本人確認を行います。
盗品の売買を防ぐ
本人確認の目的は、盗まれた品物が売買されるのを防ぐことです。
誰が、いつ、何を売ったのかが分かるようにしておくことで、盗品が持ち込まれにくくなり、万が一のときにも、警察が持ち主を探す手がかりになります。
取引の記録を残す
古物商は、買い取った品物と、売った人の情報を、帳簿などに記録し、一定の期間保存することになっています。
本人確認で確認した情報は、この取引の記録のために使われます。
使える身分証
- 運転免許証・マイナンバーカード
- パスポート・資格確認書など
- 店によって使える書類が違う
運転免許証・マイナンバーカード
本人確認でもっとも使われるのは、運転免許証や、マイナンバーカード(個人番号カード)など、顔写真のついた公的な身分証です。
氏名、住所、生年月日が記載されていて、本人であることを確かめやすい書類です。
マイナンバーカードを使う場合、裏面の個人番号(マイナンバー)は、通常の本人確認では必要ないので、裏面の提示を求められないことが多いです。
パスポート・資格確認書など
パスポート、資格確認書(健康保険証に代わる書類)なども、使えることがあります。
顔写真のない書類の場合は、もう1点の書類(公共料金の領収書など)を求められることがあります。
住民票の写しを求められた場合の「写し」は、コピーのことではありません。市区町村の窓口などで交付を受けた住民票のことです。
店によって使える書類が違う
使える身分証の種類や、必要な点数は、店によって違います。
住所が変わったのに身分証の住所を変更していない場合は、使えないことがあるので注意します。
事前に、店のサイトやよくある質問で、使える書類を確認しておきます。
店頭・宅配・出張での確認のしかた
- 店頭:身分証を提示する
- 宅配:画像の送信と郵便などを組み合わせる
- 出張:訪問のときに提示する
店頭:身分証を提示する
店頭で売るときは、受付で身分証を提示し、申込書に名前や住所などを書きます。
店によっては、身分証の写しを取ることもあります。
宅配:画像の送信と郵便などを組み合わせる
宅配買取のように、顔を合わせない取引では、なりすましを防ぐため、古物営業法の決まりにもとづいた方法で本人確認が行われます。
警視庁は、運転免許証などのコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは違反になると説明しています。よく使われるのは、次のような方法です。
1つ目は、業者が用意したアプリなどで、その場で撮った顔の写真と、写真付きの身分証の画像を送る方法です。運転免許証は表と裏と厚みを、マイナンバーカードは表と厚みを撮影します。マイナンバーカードの裏面には個人番号が書かれているので、送らないように案内されます。
2つ目は、身分証のコピーや画像を送ったうえで、業者が記載の住所に転送しない扱いの書留などを送り、届いたことを確かめ、本人名義の口座に代金を振り込む方法です。ほかに、身分証のICチップの情報を読み取って送る方法などもあります。
方法はサービスによって違うので、申し込みの案内に従って行います。
出張:訪問のときに提示する
出張買取では、査定員が訪問したときに、身分証を提示します。
申込書への記入も、その場で行うことが多いです。当日の流れは、出張買取の注意点の記事で説明しています。
1万円未満でも必要な品物と、個人情報の扱い
- 1万円未満は原則免除
- ゲームソフト・CD・DVD・書籍などは必要
- 本人確認をしない業者は避ける
1万円未満は原則免除
古物営業法では、取引の金額が1万円未満の場合、本人確認が原則として免除されています。
ただし、店によっては、金額にかかわらず、すべての取引で本人確認を行っているところもあります。
また、顔を合わせない宅配などの取引では、1万円未満でも、売る人が18歳未満でないことを確かめる必要があるとされています。宅配買取で、金額が小さくても年齢を聞かれるのはこのためです。
ゲームソフト・CD・DVD・書籍などは必要
1万円未満の取引でも、バイク(部品を含む)、ゲームソフト、CD・DVDなど、書籍は、金額にかかわらず本人確認が必要な品物とされています。
これらは、盗まれて売られることが多かった品物です。
2025年10月1日からは、金属の盗難の対策として、エアコンの室外機、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製のグレーチング(側溝のふたなど)も、金額にかかわらず本人確認が必要な品物に加わりました。家庭用の延長コードや充電ケーブルなどは対象外とされています。
本やゲームを売るときの扱いは、本を売るならどこの記事やゲームの買取の記事で説明しています。
本人確認をしない業者は避ける
本人確認は、法律で義務づけられているので、本人確認をしない業者は、法律を守っていない可能性があります。
安心して取引するために、本人確認をきちんと行い、個人情報の扱い(プライバシーポリシー)を示している業者を選びます。
渡した個人情報が、取引の記録以外の目的で使われないかも、確認しておくと安心です。
本人確認の方法の比較
| 売り方 | 本人確認の方法 |
|---|---|
| 店頭 | 身分証の提示・申込書の記入 |
| 宅配 | 顔の写真と身分証の画像、または書類と転送しない書留の組み合わせなど |
| 出張 | 訪問のときに身分証を提示・申込書の記入 |
| 取引 | 本人確認 |
|---|---|
| 1万円以上 | 必要 |
| 1万円未満 | 原則免除(ゲームソフト・CD・DVD・書籍・バイク・室外機・電線などは必要) |
ユイ品物を売るだけなのに、どうして身分証が必要なんですか?
ケイ古物営業法で、買取のときに売る人の住所や氏名を確認することが義務づけられているんだ。盗品の売買を防ぐための仕組みだよ。
ユイ安い本を売るときも必要ですか?
ケイ1万円未満は原則免除だけど、本やゲームソフト、CD・DVDなどは、金額にかかわらず本人確認が必要なんだ。
よくある質問
宅配買取で身分証のコピーを送るだけで大丈夫ですか?
コピーや住民票の写しを送るだけでは、本人確認として足りないとされています。
顔の写真と身分証の画像を送る、記載の住所に届く書留を受け取るなど、業者の案内に従ってください。
どんな身分証が使えますか?
運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、資格確認書などが一般的です。
店によって違うので確認してください。
宅配買取の本人確認はどうするのですか?
業者のアプリなどで顔の写真と身分証の画像を送る方法や、書類を送ったうえで、記載の住所に届く書留を受け取る方法などがあります。
宅配の流れは、宅配買取とはの記事で説明しています。
1万円未満なら本人確認は不要ですか?
原則として免除されますが、ゲームソフト、CD・DVD、書籍、バイクなどは必要です。
マイナンバーカードの裏面も見せる必要がありますか?
通常の本人確認では、裏面の個人番号は必要ないことが多いです。
本人確認をしない業者は大丈夫ですか?
法律を守っていない可能性があるので、避けたほうが安全です。
まとめ:次の一手
買取の本人確認は、古物営業法で古物商に義務づけられていて、盗品の売買を防ぎ、取引の記録を残すために行われます。使える身分証は、運転免許証やマイナンバーカードなどが一般的で、店頭・宅配・出張で確認の方法が違います。
1万円未満の取引は原則免除ですが、ゲームソフト、CD・DVD、書籍、バイクなどは金額にかかわらず必要です。本人確認をしない業者は避けます。
次の一手は、売る予定の店のサイトで、使える身分証と本人確認の方法を確認することです。
未成年の場合の扱いは、未成年でも買取してもらえるかの記事で確認してください。
