引越しや片付けで出た不用品を売ったら、思ったより大きな金額になった。
不用品を売って得たお金にも、税金がかかるのでは、と心配になる人は多いはずです。
結論から言うと、自分で使っていた日用品を売って得たお金には、原則として所得税はかかりません。ただし、一部の高額な品物は例外です。
この記事では、不用品を売ると税金がかかるかを、国税庁の情報をもとに、非課税になる条件、課税される品物、譲渡所得の計算、転売との違いの順に説明します。
根拠は国税庁のタックスアンサー(No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法、No.3152 譲渡所得の計算のしかた、No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合)で、令和8年4月1日現在の法令等にもとづく内容を2026年10月15日に確認しています。
筆者は法人の代表と個人事業主を兼ね、確定申告を自分で行っています。ただし、この記事は一般的な仕組みの説明です。個別の判断は税務署や税理士に確認してください。
- 自分で使っていた家具・家電・服・食器などの生活用動産を売って得た所得には、原則として所得税がかからない(国税庁 No.3105)。買取店に売ってもフリマで売っても同じ
- 非課税の例外は、貴金属・宝石・書画・骨とうなどで1個または1組の価額が30万円を超えるもの。利益が出れば譲渡所得となり、年50万円の特別控除を引いた残りに課税される
- 最初から売るために仕入れた品物(転売)は生活用動産ではなく、事業所得や雑所得になる。高額な品物や判断に迷う品物は、税務署や税理士に確認する
不用品の売却が非課税になる条件
- 生活に通常必要な動産である
- 自分で使うために持っていた
- 買取店でもフリマでも同じ
生活に通常必要な動産である
国税庁は、家具、じゅう器(食器や台所用品)、通勤用の自動車、衣服など、生活に通常必要な動産を「生活用動産」とし、その売却による所得には所得税がかからないとしています。
動産とは、土地や建物などの不動産以外の、動かせる財産のことです。
自分で使うために持っていた
非課税になるのは、自分や家族が使うために持っていた品物を売った場合です。
引越しや片付けで出た家具、家電、服、食器、本、おもちゃなどは、多くの場合、生活用動産にあたります。
自分で使っていた物は、多くの場合、買ったときより安く売れるため、そもそも利益が出にくいという面もあります。
買取店でもフリマでも同じ
生活用動産の売却が非課税になるかどうかは、売り方によって変わりません。
買取店に売っても、フリマアプリで売っても、出張買取で売っても、同じ考え方です。
なお、生活に使っている資産を売って損をした場合、その損失は生じなかったものとみなされます(No.1906)。買ったときより安く売れても、その差をほかの所得から差し引くことはできません。
非課税の例外になる品物
- 貴金属・宝石・書画・骨とうなど
- 1個または1組の価額が30万円超
- 利益が出れば譲渡所得として課税
貴金属・宝石・書画・骨とうなど
国税庁は、生活用動産の中でも、貴金属、宝石、書画、骨とうなどを、非課税の例外としています。
金やプラチナのアクセサリー、宝石がついた指輪、絵画、掛け軸、骨とう品などが、これにあたります。
1個または1組の価額が30万円超
これらの品物のうち、1個または1組の価額が30万円を超えるものを売った場合は、非課税の対象外となり、課税されます。
30万円以下のものは、ほかの例外にあたらなければ、非課税です。
「1組」とは、ふつうセットで取引される品物を、まとめて考えるという意味です。たとえば、対になったイヤリングや、揃いの茶道具などは、1点ずつではなく、セットの価額で判断することになります。
利益が出れば譲渡所得として課税
課税の対象になった場合でも、売った金額が買ったときの金額より低く、利益が出ていなければ、所得はありません。
利益が出た場合は、その利益が「譲渡所得」になります。
金地金(インゴット)や金貨を売った場合も、利益が出れば、原則として総合課税の譲渡所得として課税されます。くわしくは、金を売ったときの税金の記事で、ブランド品はブランド品の買取の税金の記事で説明しています。
趣味で集めたトレーディングカードやフィギュアなどの扱いは、品物や持ち方によって判断が分かれることがあります。主に趣味や鑑賞のために持っていた資産は、生活に通常必要でない資産として、売って利益が出ると譲渡所得になるという考え方もあります。高額で売れた場合は、税務署に確認します。
譲渡所得の計算と50万円の特別控除
- 売った金額−(取得費+譲渡費用)
- 年間最高50万円の特別控除
- 5年超の保有は2分の1が課税対象
売った金額−(取得費+譲渡費用)
国税庁によると、総合課税の譲渡所得は、「譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額」で計算します。
取得費は、主に品物を買ったときの代金です。譲渡費用は、売るために直接かかった費用(手数料など)です。
年間最高50万円の特別控除
譲渡益からは、その年の合計で最高50万円の特別控除を引けます。
譲渡益が50万円以下なら、課税される所得はゼロになります。
30万円を超える品物を売っても、利益が大きくなければ、税金がかからないことが多いのは、この特別控除があるためです。
5年超の保有は2分の1が課税対象
持っていた期間が5年を超える品物は長期譲渡所得、5年以内の品物は短期譲渡所得になります。
長期譲渡所得は、特別控除を引いたあとの金額の2分の1が、ほかの所得と合計して課税の対象になります。短期譲渡所得は全額が対象です。
買ったときの金額(取得費)が分からない場合は、売った金額の5%を取得費とすることが認められています。相続した品物は、亡くなった人が買ったときの金額と持っていた期間を引き継ぎます。
転売との違いと、確認のしかた
- 売るために仕入れた品物は生活用動産ではない
- 転売の利益は事業所得や雑所得
- 迷ったら税務署・税理士に確認
売るために仕入れた品物は生活用動産ではない
生活用動産の非課税は、自分で使うために持っていた品物を売った場合の話です。
最初から売って利益を得るために仕入れた品物は、生活用動産にはあたりません。
転売の利益は事業所得や雑所得
転売で得た利益は、規模や継続性によって、事業所得や雑所得として扱われ、課税の対象になります。
会社員などの給与所得者で、給与以外の所得の合計が年20万円以下なら、所得税の確定申告は不要とされていますが、住民税の申告は別に必要な場合があります。20万円の考え方は、フリマの確定申告はいくらからの記事で説明しています。
迷ったら税務署・税理士に確認
生活用動産にあたるかどうか、30万円を超えるかどうか、買ったときの金額が分からない場合はどうするか、などの判断に迷うときは、税務署の電話相談や、税理士に確認します。
相続した品物を売る場合は、相続の手続きや相続税との関係もあるので、特に注意が必要です。遺品を整理する順番は、遺品を売る順番の記事で説明しています。
不用品を売ったときの税金の比較
| 売った品物 | 税金 | ポイント |
|---|---|---|
| 自分で使っていた家具・家電・服・食器など | 原則非課税 | 生活用動産 |
| 30万円以下の貴金属・宝石など | 原則非課税 | 例外の対象外 |
| 1個30万円超の貴金属・宝石・書画・骨とう | 利益が出れば譲渡所得 | 50万円の特別控除あり |
| 金地金・金貨 | 利益が出れば譲渡所得 | 200万円超は支払調書の対象 |
| 売るために仕入れた品物 | 事業所得・雑所得 | 生活用動産ではない |
ユイ引越しで家具や家電を売って20万円になったんですけど、税金はかかりますか?
ケイ自分で使っていた家具や家電なら、生活用動産の売却として、原則非課税だよ。確定申告もいらないんだ。
ユイ祖母の絵を40万円で売った場合は?
ケイ書画で1点30万円を超えると、課税の対象になるよ。ただ、利益から年50万円の特別控除を引けるから、利益が50万円以下なら課税される所得はゼロになるんだ。相続した品物なら、税務署に確認しよう。
よくある質問
趣味で集めたトレカやフィギュアを売った場合は?
品物や持ち方によって判断が分かれることがあります。
主に趣味や鑑賞のために持っていた資産は、利益が出ると譲渡所得になる考え方もあるので、高額で売れた場合は税務署に確認してください。
非課税の例外は何ですか?
貴金属、宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものです。
30万円を超える品物を売ったら必ず税金がかかりますか?
利益が出ていなければ所得はなく、利益が50万円の特別控除以下なら、課税される所得はゼロです。
買ったときの値段が分からない場合は?
売った金額の5%を取得費とすることが認められています。
非課税になるかどうかは、買取店でもフリマでも、売り方によって変わりません。
転売の利益は非課税ですか?
いいえ。
売るために仕入れた品物は生活用動産ではなく、事業所得や雑所得になります。
相続した品物を売る場合は?
相続の手続きや相続税との関係もあるので、税務署や税理士に確認してください。
まとめ:次の一手
自分で使っていた家具、家電、服、食器などの生活用動産を売って得た所得には、原則として所得税がかかりません。買取店に売っても、フリマで売っても同じです。
例外は、貴金属・宝石・書画・骨とうなどで1個または1組30万円を超えるもので、利益が出れば譲渡所得となり、年50万円の特別控除を引いた残りに課税されます。転売の利益は、事業所得や雑所得になります。
次の一手は、売る予定の品物の中に、30万円を超える貴金属や美術品がないかを確認することです。
フリマの申告の考え方は、フリマの売上に確定申告は必要かの記事で確認してください。
