フリマの確定申告は「20万円から」と聞いたことがあるけれど、何が20万円なのか、よく分からない。
売上が20万円を超えたら申告が必要なのか、利益なのか、ほかの副業も合わせるのか。勘違いしやすいポイントがいくつかあります。
この記事では、フリマの確定申告はいくらから必要かを、国税庁の情報をもとに、そもそも申告が問題になるのはどんな場合か、20万円の考え方、副業の所得の合計、住民税の扱い、給与所得者以外の人の考え方の順に説明します。
根拠は国税庁のタックスアンサー(No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人、No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合、No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法)で、令和8年4月1日現在の法令等にもとづく内容を2026年10月15日に確認しています。
筆者は法人の代表と個人事業主を兼ね、確定申告を自分で行っています。ただし、この記事は一般的な仕組みの説明です。個別の判断は税務署や税理士に確認してください。
- フリマで不用品(生活用動産)を売っただけなら、金額にかかわらず原則非課税。「いくらから申告が必要か」が問題になるのは、転売やハンドメイドの販売などで利益が出ている場合
- 会社員などの給与所得者は、給与以外の所得の合計が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要とされる(国税庁 No.1900)。20万円は売上ではなく、売上から仕入れや経費を引いた所得で判断する
- フリマ以外の副業の所得も合計して判断する。所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別に必要な場合がある。給与所得者以外の人は基準が違うので税務署に確認する
申告が問題になるのはどんな場合か
- 不用品の売却は金額にかかわらず原則非課税
- 転売やハンドメイドで利益が出た場合
- 30万円を超える貴金属などは別に考える
不用品の売却は金額にかかわらず原則非課税
自分で使っていた服、家具、家電、本などの不用品(生活用動産)をフリマで売った所得は、原則として非課税です。
売上がいくらになっても、不用品の売却であれば、確定申告の必要はありません。国税庁も、生活に使っている資産(古着や家財など)を売った所得は非課税で、確定申告は不要と説明しています(No.1906)。非課税になる条件は、不用品を売ると税金はかかるかの記事で説明しています。
「20万円」の基準が問題になるのは、課税の対象になる所得がある場合です。
転売やハンドメイドで利益が出た場合
売るために仕入れた品物の転売や、ハンドメイド作品の販売などで利益が出た場合は、事業所得や雑所得として、課税の対象になります。
この所得がいくらあるかによって、確定申告が必要かどうかが決まります。
30万円を超える貴金属などは別に考える
1個または1組30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨とうなどを売って利益が出た場合は、譲渡所得として課税の対象になります。
譲渡所得には、年50万円の特別控除があるので、利益が50万円以下なら、課税される所得はゼロになります。ブランド品の扱いは、ブランド品の買取の税金の記事で説明しています。
「20万円」の考え方
- 給与以外の所得20万円以下なら申告不要
- 20万円は売上ではなく所得
- 所得=売上−仕入れ−経費
給与以外の所得20万円以下なら申告不要
国税庁によると、会社員などの給与所得者で、年末調整を受けている人は、給与以外の所得の合計が年20万円以下なら、所得税の確定申告は不要とされています。
これが、「フリマの確定申告は20万円から」と言われる理由です。
ただし、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の所得も含めて申告する必要があります。ふるさと納税の寄附金控除を、確定申告で受ける場合も同じです。
20万円は売上ではなく所得
よくある勘違いが、「売上が20万円を超えたら申告が必要」というものです。
20万円の基準は、売上ではなく、所得で判断します。
売上が30万円でも、仕入れや経費が15万円かかっていれば、所得は15万円です。
所得=売上−仕入れ−経費
転売の場合の所得は、売上から、仕入れの代金と、販売手数料、送料、梱包材などの経費を引いた金額です。
計算の例を挙げます。1年間の転売の売上が30万円、仕入れの代金が12万円、販売手数料が3万円、送料が4万円、梱包材が5,000円なら、所得は30万円−12万円−3万円−4万円−5,000円=10万5,000円です。この場合、ほかの副業の所得がなければ、20万円以下になります。
ハンドメイドの場合は、売上から、材料費などの経費を引いた金額です。
売上と経費の記録を残しておくと、所得を正しく計算できます。
副業の所得の合計と、住民税の扱い
- フリマ以外の副業の所得も合計する
- 住民税の申告は別に必要な場合がある
- 住民税の扱いは市区町村に確認
フリマ以外の副業の所得も合計する
20万円の基準は、フリマの所得だけでなく、給与以外の所得の合計で判断します。
たとえば、フリマの転売で10万円、ほかの副業で15万円の所得がある場合、合計は25万円で、20万円を超えるため、確定申告が必要になります。
住民税の申告は別に必要な場合がある
所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になる場合があります。
所得税の「20万円以下なら申告不要」の扱いは、住民税にはそのまま当てはまらないためです。
住民税の扱いは市区町村に確認
住民税の申告の方法や、必要かどうかは、お住まいの市区町村に確認します。
確定申告をした場合は、その情報が市区町村に伝わるので、別に住民税の申告をする必要はありません。
住民税の申告も、確定申告と同じく、翌年の3月15日ごろまでに行うのが一般的です。期限や方法は、市区町村の案内で確認します。
給与所得者以外の人の考え方
- 個人事業主は事業の所得と合わせて申告
- 年金を受け取っている人は別の基準
- 収入のない人は所得控除との関係で決まる
個人事業主は事業の所得と合わせて申告
個人事業主は、もともと確定申告をしているので、フリマでの転売などの所得も、事業の所得や雑所得として、合わせて申告します。
20万円以下の基準は、給与所得者のための基準です。
年金を受け取っている人は別の基準
公的年金を受け取っている人にも、一定の条件のもとで確定申告が不要になる基準がありますが、給与所得者とは条件が違います。
自分が当てはまるかは、国税庁の案内や税務署で確認します。
収入のない人は所得控除との関係で決まる
専業主婦(主夫)や学生など、ほかに収入のない人は、所得の合計が、基礎控除などの所得控除の合計以下であれば、所得税はかかりません。
ただし、扶養に入っている場合は、自分の所得が増えると、家族の扶養控除などに影響することがあります。
所得控除の金額は、税制の改正で変わることがあるので、その年の金額を国税庁の案内で確認します。また、税金の扶養と、健康保険の扶養は、基準が別です。フリマの転売の収入で健康保険の扶養の条件から外れることもあるので、家族の勤め先の健康保険の案内も確認します。
迷う場合は、税務署や税理士に確認します。
フリマの確定申告が必要かの目安
| 状況 | 確定申告の目安 |
|---|---|
| 不用品を売っただけ | 原則不要(非課税) |
| 会社員で、給与以外の所得の合計が年20万円以下 | 所得税の申告は不要(住民税は確認) |
| 会社員で、給与以外の所得の合計が年20万円超 | 必要 |
| 個人事業主 | 事業の所得と合わせて申告 |
| 年金を受け取っている人・収入のない人 | 基準が違うので確認 |
ユイフリマの売上が25万円になったんですけど、申告が必要ですか?
ケイまず、売ったのが不用品か、仕入れた品物かを確認しよう。不用品なら原則非課税だよ。仕入れた品物の転売なら、売上から仕入れと経費を引いた所得で考えるんだ。
ユイ所得が15万円なら?
ケイ会社員で、ほかの副業と合わせても20万円以下なら、所得税の確定申告は不要だよ。ただ、住民税の申告は別に必要な場合があるから、市区町村に確認しよう。
よくある質問
フリマの確定申告はいくらから必要ですか?
会社員などの給与所得者は、給与以外の所得の合計が年20万円を超えると必要です。
不用品の売却は、原則非課税です。
20万円は売上ですか、利益ですか?
売上ではなく、売上から仕入れや経費を引いた所得で判断します。
20万円以下でも確定申告が必要になることはありますか?
医療費控除やふるさと納税の寄附金控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の所得も含めて申告します。
フリマ以外の副業の所得も、合計して判断します。
20万円以下なら住民税の申告も不要ですか?
住民税の申告は別に必要な場合があります。
市区町村に確認してください。
所得の計算に送料や手数料を含めてもいいですか?
転売などの所得は、売上から仕入れの代金と、販売手数料、送料、梱包材などの経費を引いて計算します。
個人事業主は、20万円の基準ではなく、事業の所得と合わせて申告します。
収入のない主婦や学生はどうなりますか?
所得の合計が所得控除の合計以下なら、所得税はかかりません。
扶養への影響も含めて確認してください。
まとめ:次の一手
フリマで不用品を売っただけなら、金額にかかわらず原則非課税です。確定申告が問題になるのは、転売やハンドメイドの販売などで利益が出ている場合です。
会社員などは、給与以外の所得の合計が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要とされ、20万円は売上ではなく所得で判断します。住民税の申告は別に必要な場合があり、給与所得者以外の人は基準が違います。
次の一手は、フリマの取引の履歴から、仕入れて売った品物の売上と経費を計算してみることです。
申告が必要かどうかの全体像は、フリマの売上に確定申告は必要かの記事で確認してください。
