実家の片付けをしていたら、たんすいっぱいの古い着物が出てきた。
何十年も前の着物に値段がつくのか分からず、処分してしまおうか迷っている人は多いはずです。
古い着物でも、条件によっては値段がつきます。中には、古いからこそ評価される「アンティーク着物」もあります。
この記事では、古い着物に値段がつく条件、アンティーク着物の考え方、長く保管していた着物の確認ポイント、売る前の準備と売り先を説明します。
筆者は古物商許可を取り、古着の仕入れと販売を日常的に行っています。古着としての着物の値付けの考え方をもとに書きます。着物の鑑定の専門家ではないので、個々の着物の価値は着物に強い業者の査定で確認してください。内容は2026年10月15日時点で確認しています。
- 古い着物でも、正絹で状態がよく、産地や作家が分かるものは値段がつく。年数がたっていることだけで、価値がなくなるわけではない
- 大正・昭和初期のアンティーク着物は、柄や色づかいが評価されて、好んで買う人がいる。一方で、シミ・カビ・虫食い・黄ばみがある着物は、古さに関係なく値段がつきにくい
- 売る前は、たとう紙の中の証紙を探し、カビやにおいを確認し、着物に強い業者に出す。自分で洗ったりシミ抜きをしたりしない
古い着物に値段がつく条件
- 正絹で、状態がよい
- 産地や作家が分かる
- 寸法が長め
正絹で、状態がよい
古い着物でも、絹100%の正絹で、シミやカビがなく状態がよいものは、値段がつきやすくなります。
昔の着物は、正絹で作られているものが多いので、素材の面では評価されやすい面があります。
一度も着ていない、しつけ糸がついたままの着物は、古くても評価されることがあります。
産地や作家が分かる
大島紬、結城紬などの伝統的な産地の着物や、有名な作家の着物は、古くても価値が残っていることがあります。
産地は証紙、作家は落款(らっかん)や証明書で分かることがあります。
落款は、着物の衽(おくみ)や裾の裏側など、目立たない場所に小さく入っていることが多いです。明るい場所で、着物の端を広げて確認してみます。
寸法が長め
昔の着物は、今の人の体格より小さめに作られていることが多いです。
身丈(着物の長さ)と裄(背中の中心から袖口までの長さ)が長めの古い着物は、今の人でも着られるため、評価が上がります。
寸法が小さい着物は、着られる人が限られ、評価が下がりやすくなります。
30年前、40年前の着物は、アンティーク着物と呼ばれるほど古くはない一方で、今の着物ほど新しくもないため、評価が厳しくなりやすい年代です。ただし、正絹で状態がよく寸法が長めのものや、産地物・作家物は、この年代でも値段がつくことがあります。安くなりやすい理由は、着物の買取が安い理由の記事で詳しく説明しています。
アンティーク着物として評価されるもの
- 大正〜昭和初期の着物
- 大胆な柄や色づかい
- 銘仙・羽織など人気の種類
大正〜昭和初期の着物
一般に、大正時代から昭和初期ごろに作られた着物は、「アンティーク着物」と呼ばれることがあります。
この時代の着物は、今の着物とは違うデザインや色づかいが魅力とされ、好んで買い集める人がいます。
大胆な柄や色づかい
アンティーク着物は、モダンで大胆な柄や、鮮やかな色づかいのものが多く、今のファッションとして楽しむ人もいます。
柄の人気や状態によって、評価が分かれます。
アンティーク着物は、古着店やネットショップで、若い人がファッションとして買うこともあります。そのため、伝統的な格式よりも、柄の面白さやかわいらしさが評価のポイントになることがあります。
銘仙・羽織など人気の種類
銘仙(めいせん)と呼ばれる、鮮やかな柄の絹織物の着物は、アンティーク着物の中でも人気があります。
羽織も、洋服に合わせて着る人がいるため、需要があることがあります。
ただし、アンティーク着物の価値は、柄、状態、寸法で大きく変わり、すべての古い着物が高く売れるわけではありません。
古い帯や帯締め、帯揚げ、かんざしなどの和装小物も、着物と一緒に出すと評価されることがあります。小物の売り方は、帯や和装小物の買取の記事で説明しています。
長く保管していた着物の確認ポイント
- シミ・カビ・黄ばみ
- 虫食い・生地の傷み
- 防虫剤やカビのにおい
シミ・カビ・黄ばみ
たんすで長く保管していた着物には、シミ、カビ、黄ばみ(黄変)が出ていることがあります。
特に、湿気の多い場所に置いていた着物は、カビが生えやすくなります。
シミやカビ、黄ばみがある着物は、古さに関係なく、大きく減額されるか、値段がつかないことがあります。
虫食い・生地の傷み
絹などの天然素材は、虫に食われて穴が開くことがあります。
古い着物は、生地が弱くなって、裂けやすくなっていることもあります。
虫食いや生地の傷みも、査定で確認されるポイントです。
防虫剤やカビのにおい
防虫剤のにおいや、カビのにおいが強く残っている着物は、減額されることがあります。
売る前に、風通しのよい日陰で陰干しすると、においが和らぐことがあります。
陰干しのときは、直射日光を避け、湿気の少ない晴れた日を選びます。直射日光に当てると、色あせの原因になります。数時間干したら、たたんでたとう紙に戻します。
売るまでしばらく保管する場合は、たとう紙が黄ばんでいたら新しいものに替え、たんすの引き出しを時々開けて風を通します。防虫剤は種類を混ぜると変色の原因になることがあるので、1種類にしておくと安心です。
売る前の準備と売り先
- たとう紙の中の証紙を探す
- 自分で洗ったりシミ抜きをしない
- 着物に強い業者に出す
たとう紙の中の証紙を探す
着物を包んでいるたとう紙の中に、証紙や作家の証明書が一緒に入っていることがあります。
反物の端についていた証紙を、切り取って別に保管していることもあるので、たんすの引き出しの中も探してみます。
証紙は、着物の価値を示す大切な手がかりです。
自分で洗ったりシミ抜きをしない
古い着物を家庭で洗うと、縮んだり、色がにじんだりして、かえって価値が下がることがあります。
市販のシミ抜き剤を使うのも、生地を傷めるおそれがあるので避けます。
陰干しでにおいを和らげる程度にとどめ、そのままの状態で査定に出します。
着物に強い業者に出す
古い着物は、産地や作家、アンティークとしての価値を見分ける知識が必要です。
着物の買取実績が多い業者や、アンティーク着物を扱う業者に出すと、価値を正しく評価してもらいやすくなります。業者の比べ方は、着物買取の選び方の記事にまとめています。
量が少なく、近くに着物を扱う店があるなら、持ち込みでその場で査定してもらう方法もあります。たんす一棹分のように量が多いときは、出張買取か宅配買取が現実的です。宅配の流れは、着物の宅配買取の記事で説明しています。
値段がつかなかった着物は、リメイクや寄付などで手放す方法もあります。手放し方は、値段がつかない着物の記事で詳しく説明しています。
実家の片付けで着物がたくさん出てきた場合は、ほかの品物も含めて売る順番を決めておくと、片付けが進みやすくなります。進め方は、遺品を売る順番の記事を参考にしてください。
古い着物の値段のつきやすさ
| 着物の特徴 | 値段のつきやすさ |
|---|---|
| 正絹・状態がよい・寸法が長め | つきやすい |
| 証紙・作家の証明あり | つきやすい |
| 人気のアンティーク着物(銘仙など) | 柄と状態による |
| 寸法が小さい | つきにくい |
| シミ・カビ・虫食い・黄ばみあり | つきにくい |
ユイ祖母の何十年も前の着物、もう価値はないですよね?
ケイ古いだけで価値がなくなるわけじゃないよ。正絹で状態がよくて、産地や作家が分かれば値段がつくし、大正や昭和初期のアンティーク着物は、古さが魅力として評価されることもあるんだ。
ユイシミがあるから、洗ってから出そうかな。
ケイ家庭で洗うと縮んだり色がにじんだりすることがあるから、そのまま出そう。陰干しでにおいを和らげるくらいで十分だよ。
よくある質問
古い着物でも売れますか?
正絹で状態がよく、産地や作家が分かるものは値段がつきます。
アンティーク着物として評価されるものもあります。
アンティーク着物とは何ですか?
一般に、大正時代から昭和初期ごろに作られた着物を指すことがあります。
柄や色づかいが評価されます。
カビが生えた古い着物は売れますか?
大きく減額されるか、値段がつかないことがあります。
着物に強い業者で査定を受けてください。
証紙はどこにありますか?
たとう紙の中や、たんすの引き出しの中に保管されていることがあります。
30年前の着物でも売れますか?
正絹で状態がよく、寸法が長めのものや、産地物・作家物は値段がつくことがあります。
家庭で洗うと価値が下がることがあるので、洗わずにそのまま出してください。
値段がつかなかった古い着物はどうすればいいですか?
リメイク、寄付、知人に譲るなどの方法があります。
まとめ:次の一手
古い着物でも、正絹で状態がよく、産地や作家が分かり、寸法が長めのものは値段がつきます。大正・昭和初期のアンティーク着物は、柄や色づかいが評価されることもあります。
シミ、カビ、虫食い、黄ばみがある着物は値段がつきにくいので、売る前に状態を確認し、自分で洗わずに、着物に強い業者に出すのがおすすめです。
次の一手は、たとう紙の中とたんすの引き出しを確認し、証紙や証明書を探すことです。
証紙の見方は、着物の証紙とはの記事で詳しく説明しています。
