嫁入り道具として用意された喪服の着物が、ほとんど着ないまま、たんすに眠っている。
最近は、葬儀で着物の喪服を着る人が少なくなり、手放したいと考える人も多いはずです。
この記事では、喪服の着物が買取できるかを、値段がつきにくい理由、値段がつく可能性がある喪服、一緒に売れるもの、値段がつかない喪服の手放し方の順に説明します。
筆者は古物商許可を取り、古着の仕入れと販売を日常的に行っています。古着としての着物の値付けの考え方をもとに書きます。内容は2026年10月15日時点で確認しています。
- 喪服の着物は、買取に出すことはできるが、値段がつきにくい。家紋が入っていてほかの家の人が着にくいこと、着る機会が減って需要が少ないことが主な理由
- 正絹で状態がよく、寸法が長めの喪服や、家紋が一般的な紋の喪服は、わずかに値段がつくこともある。喪服用の帯や小物は、着物と別に評価されることがある
- 値段がつかない喪服は、業者の無料引き取り、リメイク、寄付などで手放せる。思い出のある喪服は、家紋の部分などを小物にして残す方法もある
喪服の着物が値段がつきにくい理由
- 家紋が入っていて、ほかの家の人が着にくい
- 着物の喪服を着る機会が減った
- 寸法が合う人が限られる
家紋が入っていて、ほかの家の人が着にくい
喪服の着物(黒の紋付)には、背中や袖などに、その家の家紋が入っています。
家紋は家ごとに違うため、ほかの家の人がそのまま着るのは難しく、中古で買う人が限られます。
家紋を入れ替える方法もありますが、手間と費用がかかるため、中古の喪服の需要はさらに少なくなります。
着物の喪服を着る機会が減った
最近は、葬儀で洋装の喪服を着る人が多くなり、着物の喪服を着る機会が減っています。
各家庭から売りに出される喪服は多い一方で、買いたい人は少ないため、買取価格は低くなりがちです。
喪服は、嫁入り道具として一揃いで用意されることが多かったため、一度も着ないまま保管されている家庭も少なくありません。こうした未着用の喪服が多く出回ることも、相場が上がりにくい理由の一つです。
寸法が合う人が限られる
喪服も、ほかの着物と同じく、身丈や裄が着る人の体に合っている必要があります。
昔の喪服は小さめに作られていることが多く、今の人の体格に合わないことがあります。
家紋の問題に加えて寸法の問題もあるため、喪服は着物の中でも値段がつきにくい種類です。着物全体が安くなる理由は、着物の買取が安い理由の記事で詳しく説明しています。
手放すか迷っている人の中には、「この先、着物の喪服は必要か」と考える人も多いはずです。最近は葬儀でも洋装が中心で、着物の喪服が必要な場面は限られています。着る予定がほとんどなければ、手放しても困ることは少なく、いざ必要になったときはレンタルを利用するという選択肢もあります。
値段がつく可能性がある喪服
- 正絹で状態がよい
- 寸法が長め
- 未着用・しつけ糸つき
正絹で状態がよい
正絹(絹100%)で、シミやカビがなく、状態がよい喪服は、わずかに値段がつくことがあります。
喪服は黒一色なので、色あせや、シミが目立ちやすく、状態が評価を大きく左右します。
黒の色が深く、ムラなく残っているかどうかも見られます。長く保管していると、たたみじわの部分だけ色が変わったり、湿気で白っぽいカビが出たりすることがあるので、売る前に明るい場所で確認しておきます。
寸法が長め
身丈と裄が長めの喪服は、今の人の体格に合いやすく、評価が少し上がることがあります。
査定の前に、寸法を測っておくと、話が早く進みます。
売る前にクリーニングに出すべきか迷う人もいますが、着物のクリーニングは数千円以上かかることが多く、喪服の買取価格を上回ってしまうことがほとんどです。目立つシミがなければ、陰干しをしてそのまま査定に出すほうが、手元に残るお金で考えると合理的です。
未着用・しつけ糸つき
一度も着ていない、しつけ糸がついたままの喪服は、状態がよいと判断されやすくなります。
嫁入り道具として用意されたまま着なかった喪服は、未着用のことが多いので、しつけ糸の有無を確認しておきます。
ただし、未着用でも、家紋と需要の問題があるため、大きな金額は期待しにくいのが現実です。
喪服と一緒に売れるもの
- 喪服用の帯
- 帯締め・帯揚げなどの小物
- ほかの着物や帯もまとめて査定
喪服用の帯
喪服用の黒い帯は、家紋が入っていないため、着物よりは使える人が多い品物です。
正絹で状態がよいものは、着物とは別に評価されることがあります。
帯締め・帯揚げなどの小物
喪服用の帯締め、帯揚げ、草履、バッグなどの小物も、一緒に査定に出せます。
小物は1点の金額は小さいですが、まとめて出すと評価がつくことがあります。
草履やバッグは、使用感や汚れが少なければ、喪服用に限らず和装小物として使う人がいます。喪服と一緒にしまってあった小物は、捨てずに一緒に査定に出してみるのがおすすめです。
ほかの着物や帯もまとめて査定
喪服だけで査定を申し込むより、ほかの着物や帯と一緒に出すほうが、業者も対応しやすく、全体として評価がつきやすくなります。
出張買取では、品物の量が少ないと対応してもらえないこともあるので、まとめて出すのがおすすめです。当日の流れと注意点は、着物の出張買取の記事で説明しています。帯や小物の売り方は、帯や和装小物の買取の記事も参考にしてください。
値段がつかない喪服の手放し方
- 業者に無料で引き取ってもらう
- リメイクして小物にする
- 寄付する・自治体のルールで処分
業者に無料で引き取ってもらう
値段がつかなかった喪服を、無料で引き取ってくれる業者があります。
持ち帰る手間がなく、捨てることに抵抗がある人にも向いています。
引き取られた喪服は、生地として再利用されたり、海外で活用されたりすることがあります。自分では使い道がなくても、どこかで役に立つ形で手放せるのは、気持ちの面でも区切りをつけやすい方法です。
リメイクして小物にする
喪服の黒い正絹は、上質な生地なので、バッグ、ポーチ、日傘などにリメイクされることがあります。
思い出のある喪服は、家紋の部分を額に入れたり、小物にしたりして残す方法もあります。
黒の正絹は、ワンピースやスカートなどの洋服にリメイクされることもあります。自分で作るのが難しい場合は、着物のリメイクを請け負う店に相談できますが、費用がかかるので、仕上がりのイメージと見積もりを確認してから頼みます。
寄付する・自治体のルールで処分
着物を必要としている団体に寄付する方法もあります。受け付ける着物の種類は団体ごとに違うので、喪服を受け付けているか事前に確認します。
使い道がなければ、自治体のルールに従って処分します。古布として回収に出せるかどうかは地域で違うので、出し方を確認してください。
喪服の値段のつきやすさ
| 喪服の特徴 | 値段のつきやすさ |
|---|---|
| 正絹・状態がよい・寸法が長め | わずかにつくことがある |
| 未着用・しつけ糸つき | わずかにつくことがある |
| ポリエステル | つきにくい |
| シミ・カビ・色あせあり | つきにくい |
| 喪服用の帯(正絹・状態がよい) | 着物より評価されることがある |
ユイ一度も着ていない喪服なのに、値段がつかないと言われました。
ケイ家紋が入っていてほかの家の人が着にくいし、着物の喪服を着る人も減っているから、未着用でも値段がつきにくいんだ。喪服用の帯や小物は、別に評価されることがあるよ。
ユイ捨てるのは気が引けます。
ケイ無料で引き取ってくれる業者もあるし、上質な黒い正絹は小物にリメイクされることもあるよ。家紋の部分を残す方法もあるね。
よくある質問
喪服の着物は買取してもらえますか?
買取に出すことはできますが、値段がつきにくい種類です。
なぜ喪服は値段がつきにくいのですか?
家紋が入っていてほかの家の人が着にくいこと、着物の喪服を着る機会が減って需要が少ないことが主な理由です。
未着用の喪服なら値段がつきますか?
状態がよいと判断されやすいですが、家紋と需要の問題があるため、大きな金額は期待しにくいです。
喪服用の帯は売れますか?
正絹で状態がよいものは、着物とは別に評価されることがあります。
いらない喪服の処分方法を教えてください。
業者の無料引き取り、ワンピースや小物へのリメイク、寄付、自治体のルールでの処分などの方法があります。
喪服は売る前にクリーニングに出したほうがいいですか?
クリーニング代が買取価格を上回ることがほとんどなので、目立つシミがなければそのまま出すのがおすすめです。
家紋の入れ替えも、手間と費用がかかるため、売る前に行うのはおすすめしません。
まとめ:次の一手
喪服の着物は、買取に出すことはできますが、家紋が入っていることと需要が少ないことから、値段がつきにくい種類です。正絹で状態がよく、寸法が長めの未着用の喪服は、わずかに値段がつくこともあります。
喪服用の帯や小物は別に評価されることがあり、値段がつかない喪服は、無料引き取り、リメイク、寄付などで手放せます。
次の一手は、喪服と一緒に、帯や小物、ほかの着物をまとめて査定に出す準備をすることです。
値段がつかない着物の手放し方は、値段がつかない着物の記事で詳しく説明しています。
